Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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よせ

圓太郎馬車 正岡容寄席小説集

正岡 容

Leggi 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 147.226 caratteri · 295 schermate

Aozora Bunko

急にまた烈しくしゃくり上げて、

「中風になって倒れたんや」

「ゲッ」

思わずヨロヨロと今松はいったん立ち上がった縁台へ、ベタッと腰を下ろしてしまった。

「もうあかん。俺一人後生楽を定めてはいられん。俺、あの好かん岡村に、頭下げても、どつかれても、働いて働いて働きぬいて足腰の立たん親父さん一人養っていかんことには……」

「わかったわかった、もうわかった、ごめん、ごめんよ海老やん。そんな事情と知らねえもんで、俺勝手に一人で腹なんか立てちまって」

片手で今松の手を握りしめたまま、片手で薄白い顔を押さえて男泣きに泣いている海老団治のほうをなんべんもなんべんも覗き込みながら、

「そうかア、海老蔵父さんが。フーム、そう。そうだったのかア」

今頃秋風の吹く近江の田舎町の雑用宿で立ち居かなわず困しんでいるだろう海老団治の父親の上を考えて今松は、いても立っていられない心持ちがした。

俺でさえ、こんななのだ。

この当の海老の奴にしてみたら、どんなにどんなにヤキモキ心配していることだろう。

それにしても、元の組織の落語界だったら、せめてはもう少し海老の苦患も少なかったろうものを。