Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Leggi 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 349.705 caratteri · 678 schermate

Aozora Bunko

でも、こうしてはいられない。その圧迫をハネ返しでもするように、お雪ちゃんが起き上った途端に、自分の膝の下に落ちた着物が、あんまり重過ぎることに、気を取られずにはおりません。

「おや」

いつのまに、誰がこんな着物を持って来て、わたしに着せてくれたのかしら。昨夜、そうだ、久助さんが、施しでもらって来たのを、わたしが寝ている間に、そっと着せてくれたものに違いない。そうそう、昨晩よく眠れたのは、一つはこのせいでしょう。こんな一重ねの着物を、わたしの寝ている間に着せかけてくれたから、そのおかげでわたしは、恥かしいほどよく寝入ってしまったのだ。これでも無かろうものなら、夜半の薄着に寒さが身にしみて、いくら疲れたからといって、こんな際に、こんなによく寝られるものですか。ほんとうに有難い、久助さんの親切が有難い。それなのに、こんな親切な人を置いてけぼりにしようとか、まいてしまおうとか考えた自分というものの薄情さを、お雪ちゃんはクドいほど悔む気になってしまいました。

そうして、この情の籠る一重ねの着物を見ているうちに、これが羽織もそっくりした小紋縮緬の一重ねであることが、大変な気がかりになりました。