Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Leggi 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 349.705 caratteri · 678 schermate
「ええ、そのことは心配ねえんです、わしらは、この一本の鉈を持って行きますよ」
七十三
与八は郁太郎にかけていた片手を離して、帯に吊してあった一梃の鉈にさわってお松に見せ、
「わしは、東妙和尚さんから、この鉈を使うことを教えられている、これが一梃あれば、どうやら、物の形が人様に見せられるようになったから、これを持って、彫物をしながら、日本中を歩いてみてえつもりだ」
「まあ……では、永い間の心がけね」
「ああ、東妙和尚さんもそう言わっしゃった、与八、それだけ腕が出来たら、もう田舎廻りの彫物師の西行をしても食っていけるぞい、と言われました時から思い立ちました、行くさきざき、何か彫らしてもらっては、草鞋銭を下さるところからはいただき、下さらねえ時は、水を飲んで旅をしてみようと、心がけていたですよ、お松さん。そうして、まずこれから上へ登って、大菩薩を越えて、塩山へ行くと恵林寺というので慢心和尚さんが、わしを待ってて下さる、あそこで何か彫らしておくんなさるに違えねえ……それから甲州路を西行をして、信濃から美濃、飛騨、加賀の国なんというところには、山々や谷々に霊場がうんとござるという話だから、そこへいちいち御参詣をしてみるつもりで、絵図面も、もう東妙和尚さんから描いてもらっている」