Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Leggi 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 349.705 caratteri · 678 schermate
そのうちに、或る晩のこと、珍しくこの行燈へ火を入れましてね、ここで刀の磨きをかけていましたよ。その時ばかに御機嫌がよくって、この行燈の火影で見える横顔なんぞが、美しいほど凄く見えたものですから、大将今晩こそは本当の御機嫌だなと、そっとそれ、あの衣桁の背後から怖る怖る這い出して、まず刀の目ききからおべんちゃらを並べてみましたところが図に当りましたね。人間、好きには落ちるものですよ。五郎入道正宗じゃありませんか、違いますか、では松倉郷、それもいけませんかなんぞと言っているうちに、とにかくいい刀でしたからつい増長して、その棟の上へのぼってえっさえっさをして見せますと、それがいけなかったんですね、一振り軽く振られたんですが、何しろ手が冴えていますからたまりません、ホンの軽い一振りで、わっしの身体は胴から二つになってあの壁へやもりのようにへばりついてしまったというみじめな次第――いやどうも危ないものです。そこでこんどは河岸をかえてお浜さんへ取りつきましたね。いい女でしたね、姦通をするくらいの女ですから、美しい女ではあるが、どこかきついところがありましたね。