Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きめんじょうのひみつ

奇面城の秘密/夜光人間

江戸川 乱歩

Leggi 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 150.254 caratteri · 300 schermate

Aozora Bunko

やがて九時半でした。それから九時四十分、九時五十分、五十五分、五十六分……じりじりと、予告の時間がせまってきます。

杉本さんも小林君も、顔は青ざめ、目ばかりギラギラとかがやき、ハッ、ハッと、はく息が、せわしくなってきました。小林君の正確な腕時計が、九時五十九分をしめしました。あと一分です。小林君のひたいに、汗のたまが浮かんできました。

五秒、十秒、時計の秒をきざむ音が、おそろしく耳をうちます。

そのとき、窓のそとで、カタンと、かすかな音がしました。小林君は、おもわずそのほうを見ましたが、すると、小林君の顔から、サアッと血のけがひいて、目がとびだすほど、ひらかれました。そして、くぎづけになったように、窓を見つめたまま動きません。

杉本さんも同じです。まるで、お化けにでもあったような恐ろしい顔で、窓を見つめています。

その窓には、なにがあったのでしょう?

カーテンがひらいたままになっている、その窓ガラスのそとに、ボウッと、白いものがただよっていました。

青白くかがやく、銀色のまるいものです。それが、グウッと、窓ガラスにくっついてきました。ああ、人間の顔です。