Classici giapponesi con furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Leggi 探偵夜話 (たんていやわ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.363 caratteri · 277 schermate
陰って薄ら寒い日で、三津子さんの今まで住んでいた山の形も、きょうは灰色の雲に掩われていました。
あいにくに人車は一台も見えないので、わたくしも途方にくれました。ぐずぐずしていて、途中で日が暮れては大変だと思いましたから、わたくしは一生懸命になって歩き出しました。町を突っ切って、見おぼえのある田圃みちへ出ようとする時に、横合いから不意に声をかけられました。
「村上さんのお嬢さん。」
それは六助じいやでした。じいやは死体を始末するために棺桶や何かを注文して、これから山へ帰るところでした。いい路連れが出来たので、わたくしもほっとしました。じいやは次の村へ行って人車を探してやるから、そこまで一緒にあるいて行けと言いました。
「どうも飛んだことで、ほんとうにびっくりしてしまいました。」と、わたくしは歩きながら言いました。「奥さんはどうなすったのでしょう。一体、誰が殺したんです。」
「おとといの午過ぎでしたよ。わたくしがうしろの山へ枯枝を拾いに行って、一時間ばかり経って帰って来て、それから枝を伐そうと思うと、土間に置いた筈の鉈が見えねえ。どうしたのかと思って探していると、その鉈は小屋の外の桐の木の下に捨ててありました。