Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんていやわ

探偵夜話

岡本 綺堂

Leggi 探偵夜話 (たんていやわ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.363 caratteri · 277 schermate

Aozora Bunko

しかも十時を過ぎる頃までかれの口笛はきこえなかった。家内の者を寝かしてから、父も身支度して空き地へ出張したが、今夜は風のない夜で、草の葉のそよぐ音さえもきこえなかった。二人は夜露にぬれながら徒らに一夜をあかした。

「奴等も警戒して迂濶に出て来ないのだろう。」と、父は思った。第一の夜には父に追われ、第二の夜には犬に追われ、かれらも自分たちの危険をおもんぱかって、ここへ近寄ることを見あわせたのであろう。常識から考えても、そうありそうなことである。

ハドソンはその後三晩も張り番をつづけたが、遂になんの新発見もなかった。父は夜露に打たれた為に少しく風邪を引いたので、当分は張り番を見あわせることになった。それでも毎朝一度ずつは空き地を見廻って、新しい穴が掘られているかどうかを調べていたが、最初に発見された九ヵ所と後の一ヵ所と、その以外には新しい穴は見いだされなかった。かれらもこのいたずら――まずそうらしく思われる――を中止したらしかった。

それから半月あまり無事に過ぎた。その以来、家内の女たちをおびやかすような怪しい響きもきこえなくなって、この問題も自然に忘れられかかった時に、父はふとあることを思いついた。