Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんていやわ

探偵夜話

岡本 綺堂

Leggi 探偵夜話 (たんていやわ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.363 caratteri · 277 schermate

Aozora Bunko

その一人が古河君を案内して来たあとへ、この婦人はおくれて下車したので、重い荷物を自分でさげて来なければならないことになったのであろう。古河君も気の毒に思った。若い者はなおさら恐縮したように自分の不注意を詑びていた。

「いえ、なに、荷物も見かけほどは重くないんです。」と、婦人は冷たそうな顔に笑みをうかべながら言った。「済みませんが、お湯を一杯下さいませんか。」

「はい、はい、お湯がよろしゅうございますか。どうぞまあお掛けください。」

女房が湯を汲みに起つと、婦人は古河君に会釈して隣りの椅子に腰をかけた。そうして、瀬戸の火鉢に手をかざすと、右の無名指には青い玉が光っていた。左の指にも白い玉がきらめいていた。

「さっきはどうも失礼をいたしました。さぞおやかましゅうございましたろう。」

挨拶をされて、古河君も気がついた。この婦人も自分とおなじ二等車に乗り込んでいて、襟巻に顔をうずめて隅の方に席を取っていた。そのそばには四十ぐらいの商人風の男と、二十歳前後の小間使風の女が乗っていたが、男は寒さ凌ぎにびん詰の正宗をむやみにあおって、しまいには酔ってなにか大きい声で歌い出したので、小間使風の女はほかの客に気の毒そうな顔をして時々になだめていた。