Classici giapponesi con furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Leggi 探偵夜話 (たんていやわ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.363 caratteri · 277 schermate
」
「滞在は一人もないの。」
「はあ、お寒い時分はまるで閑でございます。ここらはどうしても三月の末からでなければ、滞在はめったにございません。」
「そりゃ寂しいね。」と、古河君は少し首をすくめた。
「ちっとお寂しいかも知れません。十一番さんは御存じの方じゃないんですか。」
「いや、知らない。休憩所から一緒になったんだ。」
女中の話によると、その婦人はかぜを引いたようだとか言って、風呂へもはいらずに寝てしまったとの事であった。
汽車の疲れで、古河君はその晩ぐっすり寝入ってしまった。眼をさまして枕もとの懐中時計をみると、けさはもう九時を過ぎていた。いつの間にか女中が火を運んで来たとみえて、火鉢に炭火がいせいよく起こっていて、茶道具などもきれいに掃除してあった。床の上に這い起きて巻煙草をすいつけようとする時、階子をあがって来る足音がしずかにきこえた。と思うと、障子の外からそっと声をかけた者があった。
「もうお目ざめでございますか。」
それは十一番の婦人の声であった。
「はい。大寝坊をして、今ようよう目をあいたところです。」と、古河君は床の上で答えた。
「あの、ちょっとお邪魔をいたしてよろしゅうございましょうか。