Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんていやわ

探偵夜話

岡本 綺堂

Leggi 探偵夜話 (たんていやわ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.363 caratteri · 277 schermate

Aozora Bunko

まずそのままに捨てて置け。但し後日証拠ともなるものであるから、その書状は大切にしまって置けと言い付けて、再び産婦の方へ行ってしまった。

主人は落ち着いているものの、店の者どもは少なからぬ恐怖を感じた。もしこの文面の通りであれば、日が暮れてから近所の銭湯へも迂濶にいくことは出来ない。どうしたらよかろうと、いろいろに評議していると、そのなかに親類のなにがしという男があった。この男もやはり芝に住んでいて、宵から産婦の見舞いに来ていたのであるが、しばらく思案して、こう言い出した。

「たとい捨てたとしても、わずかに二分のことだ。もしその無心を聞いてやらないで、とんでもない意趣がえしをされてはつまらないから、ともかくも二分判一つをその袋に入れて、表へ出して置くがよかろうではないか。」

手代共もすぐに同意して、その袋に金を入れ、かれの指定通りに表へ貼りつけて置いた。

夜があけて、主人が店へ出て来たので、手代共はゆうべのことを話して、親類の御意見で、先方の注文通りに取り計らったと報告すると、市兵衛は再び眉をよせた。

「そうして、その金はどうなった。」

「いつもの通り、四つ(午後十時)に大戸をおろしましたが、けさ起きて見ると、袋も金もなくなっておりました。