Classici giapponesi con furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Leggi 探偵夜話 (たんていやわ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.363 caratteri · 277 schermate
その特徴は二尺乃至四尺の長いくちばしをもっていることで、太平洋や太西洋に多く棲息している。やはりカジキの種族で、その大きいものは三間ほどもある。かれらは常に鱶や鮫のような獰猛の性質を発揮して、かの象牙のような鋭いくちばしで鱈や鯖のたぐいを唯ひと突きに突き殺すばかりでなく、ある時は大きい鯨さえも襲うことがある。汽船がかれに襲われて船腹を突かれたこともある。こういう奇怪な魚だけに、外国ではそのくちばしを珍重して、完全な長いものは往々ステッキに用いられている。
これで事実の真相は判明した。水沢がそのステッキを米国から買って来たというのは嘘で、実は横浜の米国人から貰ったのであるが、どっちにしてもそれが剣魚のくちばしであることは事実であった。かれはそのステッキを持ったままで芸妓と一緒に沖へ乗り出すと、ほん物の剣魚が突然に襲って来て、そのくちばしで芸妓の脇腹を突き透したので、かれは異常の恐怖に打たれて、前後の考えもなしに海へ飛び込んで逃げた。そのときに彼のステッキは海に沈んでしまって、船中に残ったのは新しく打ち折られた剣魚のくちばしであった。剣魚がどうしてくちばしを折られたか、どうして眼だまを突き破られたか、それは死んだ芸妓の手に持っていた櫂によって判断するよりほかはない。