Classici giapponesi con furigana
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しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Leggi 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 337.181 caratteri · 676 schermate
赤穂籠城と極まった時、この男も、義血に燃え、
(城を枕に)と叫んだうちの一人だった。――籠城の説が、あだ討と変って、後図を誓った藩士は、その時、百二十人と数えられたものだった。
『――慥に、これは貴殿の分、お戻し申しあげましたぞ』
弥左衛門は、もう膝を起てかけて、
『源吾、お暇しようか』
すると、主人の六郎左衛門は、いそいで血判の誓書を披いてみた。間違いなく、昨年の四月、赤穂城の昂奮の坩堝のうちで自分の書いたものである。もうその時捺した拇印の血は乾いて漆のような色をしている。
『……しばらく』
六郎左衛門は、急に肩を昂げ、使の二人を低く見て云った。
『大石殿の乱行は、町の噂にも、ちらちら聞いたが、ではまったく変心されたのでござるか』
『そうらしいのだ。……吾々も不面目極まる使だが、要するに、変心は大石殿一人ではない。日が経てば経つほど、人の心も、境遇につれて変るのはやむを得ぬ』
『では――復讐は沙汰止みか』
『相変らず、議論は区々だが、先頃、円山の老人連も集まって、とどのつまりが、事変の当時なら気も揃うたし、天下の耳目も吾々に期待していたろうが、今更、熱のさめたところで、あだ討でもあるまいと――まあ二の足を踏むのが多くて、結句、連判の盟約を解こうと極まったわけだ』