Classici giapponesi con furigana
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しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Leggi 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 337.181 caratteri · 676 schermate
他出には笠を用い、近所へ出るにも、種々に姿を変えて歩いていた。
『ええ、しまった』
新見弥七郎というのがその男の名だった。上杉家の米沢領から選抜されて来た十一名の剣客のひとりなのだ。
辻の彼方を見まわして、地だんだ踏みながら、
『貴公が落着き払っているまに、とうとう、臭い奴を逃がしてしまったではないか。――確かに赤穂の片割れだ』
『臭い者とは、お身の事ではないか』
『こんな場合、冗談はよしてくれ』
新見は、全身の溝泥に鼻をしかめて、
『大須賀や斎藤と、二つ目まで出て、ちょっと一杯やっての帰りだ。酒も何も醒め果ててしまった。……然し、残念なことをした』
『何処で』
『そこの椎の木の下だ……』
と、先に立って戻りながら、
『そうだ、御邸内から何か投げたものがある。――油断も隙もならないぞ、清水』
溝を覗いて、板絵図の半分を抓み上げた。そして清水一学に示しながら、
『これだ……』
『これを御邸内から』
『む。誰の仕業か、さっそく取り糺す必要があろう。これを見ても、今のが、赤穂浪人だという事はもう疑う余地もない事だ』
『彼奴等も、すこし焦躁って来たな』
『糧道が苦しいのだろう。自暴という奴だ。