Classici giapponesi con furigana
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しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Leggi 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 337.181 caratteri · 676 schermate
万一、内匠頭が今になって、卑怯な言い遁れをしたならば、これを証拠に、極めつけようという伝八郎の気構えなのであった。
医者の詰所である檜の間に二人は控えていて、内匠頭を呼び出した。警固として徒士目付の屈強なのが、三名ずつ両側に居並ぶ。その中ほどへ、内匠頭は静かに坐った。
伝八郎は、じっと、内匠頭の眉を見つめた。さすがに、全身を炎にした熱血を冷まして、青じろく沈んではいるが、今日の事は、今日だけの鬱憤ではないのだ。茲に至るまでの幾日かの間の心根こそ思いやられて傷ましい。
(役目でなければ――)
と伝八郎は、武士が武士の心を酌んでやれない辛さを歯の根に噛みしめながら云った。
『御法通り、言葉を改めます。左様お心得下されたい』
『…………』
内匠頭は、無言のまま、すこし頭を下げた。
『その方、場所がらをも弁えず、上野介へ刃傷に及んだは、故意か、乱心か、仔細に申しあげい』
『決して、乱心にはござりませぬ』
『うむ』
思わず、伝八郎は大きく呻いて、
『では、相手方に、如何なる遺恨あっての事か』
『申し開きござりませぬ。上に対し奉り、重々の不届き、唯々恐れ入ってござりまする。