Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Leggi 日記 (にっき) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 102.285 caratteri · 204 schermate

Aozora Bunko

二月十六日

合羽を林町へ縫いなおしにやってあるので、着て行くものがない。俥で行かなければならないことになるのだ。つい、おっくうに感じ、しきりに雨足をながめ、十時半頃、かなり強い地震があったので、此ではれると思い、急に障子がぱっとしたような心持がした。日本の着物は不自由のみならず、物質に余裕がないと、どうしても、生活が消極的になり却って又失うようなことになる。例、自分は合羽を一つ限り持たず、ゴムの工合よさそうな足袋カバーもない。故に俥に乗らなければならず、却って、多くを失う。――

小説を書かないで居ると、頭にしまりがなくなったようでいけない。ああ云う仕事は、一通りの緊張ではなく、全く我を忘れて、自分の創造の世界に没入して仕舞おうとし、しまうので、平常の自分とはまるで異った自己の力を意識する。その仕事にたずさわって居る間、意識しないほどの緊張があり、すんで、始めて、快い弛緩と、新陳代謝の快感を感じるのだ。何にもしないと、頭が封じられ、力を失い、活気がくさり、泥沼になる。

二月十六日(木曜)雨

○昨日、衆議院で、又なぐり合い、け合いがあった。動物園以下、以下。以下! そんな処へ、女権問題、母性保護法などをのめのめと出すのが目覚めた女性か?(「黄昏」