Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Leggi 日記 (にっき) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 102.285 caratteri · 204 schermate

Aozora Bunko

九月一日

九月一日(金曜)不定

朝曇天、昼頃から小雨、陰鬱な光のない自然を見守り乍ら、頭には矢張りいつもの考えがつきまとう。

自分の人としての不思議な弱点に対して、深い自省を持たなかった為、真心からの愛まで、人として進むべき道を行く為には制さなければならないようなことになる。

皆、一方から考えれば、自分の人生に対する態度の不徹底さから生じたとほか思えない。彼をせめる気はなし。

水をのみたいものが、目前に流れる水の面を見乍ら、のめば石となるか、死ぬかしなければならない地獄のせめが、始めて自分の心に、真実を以て迫って来た。

愛したい心は満ち、それは真実なものでも、よってもって自分の生きて居ると思う一点を守り立てるためには、その愛をぐっと耐えて自分の潜精力として行かなければならないこと。

若し自分にかけて居る未知数がなかったら、私は、死ぬか、無我夢中になってAに一生を投げ与えるだろう。

いかに恋が、思案の外であるか。

ヨハネの黙示録をよみ、あれ程壮麗、ゴージャスな空想を天空に描き得る人は、どんな浄純な心霊のひとかと驚く。

十月十九日(木曜)晴

雨もあがったので、今日はいよいよ立つことにする。