Classici giapponesi con furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Leggi 日記 (にっき) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 102.285 caratteri · 204 schermate
珍らしく六畳に炬燵を入れ、つたのからんだ垣を見乍ら、しっとりとした灰色の空に、蕾の出た桜を見乍ら、手紙や日記を書く。小ぢんまりとした日本の部屋は、此那風に、安まった心持で居るによく、八畳のようにしたのは、健康でないと楽でない。
此、六畳に居ると、何処か近くの女が、着物の話をして居るのに驚く。去年とか一昨年とか、どんな紋付をこしらえたが、今年の流行はもう違って、どんな色が流行るとか、なかなか我々などは考えても見ない敏感で注目して居るらしい。
きのう、電車の上から、芝生にタンポポが生え、花が咲いて居るのを見る。
夜十一時頃、荒木さん、速達です、と云って葉書が来た。見ると、とりあてに、十一日から静江が学校を出て行方不明であると云う知らせだ。自分は、思わず胸を轟かせてAと相談した。とにかく起して見せなければなるまい。自分が起き、とりを起し、おどろかせてはいけないと思って、おとりさん、速達が三輪から来たのだがねと云って渡した。何でございましょうと、熱心に首を動して見て居るうちに、丁度行方知れずと云う辺に来ると、彼女は床の中に腹這って居た体を、むくりと動かした。