Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Leggi 日記 (にっき) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 102.285 caratteri · 204 schermate

Aozora Bunko

頭に何があるのだろう。淋し、淋し。自分の思い考えて居る丈のことは何も彼の頭にはなく、自分がいつか恐らくせずには居られない決意は、彼に全く不意のものとしか、従って、不自然なものとほか、思われないのだろう。

自分の理想に忠実になり、境遇をかえたとし、又先のような、只観念の生存ほかなくなるのではないだろうか。斯様に苦しみつつ生活して居る時に、複雑な人性の差、上へ上へと翔ぼうとする人間の苦しみ、その他を味う。然し、若し此矛盾と苦痛とがなかったら、又あの単純な、一部分の生活ほかなくなるのではないだろうか。それが恐れである。自分を打ちあて輝かせるものを失うわけ、それですり切れるか、益※(二の字点、1-2-22)輝くか、此が自分の天才の星によって決せられる処ではないか。

彼が現状より、よりよくなるとは思われない。益※(二の字点、1-2-22)どちらかと云えば、凡俗になる方だろう。年もとれば猶保守的になり、嫉妬深くもなろう。此点も考えなければならない。自分が内に、仕える神、あくまでも育とう育とうとする精神をもっと小量にめぐまれて居たらどんなによかったか、少くとももっと男への甘さと調和され、日常の生活は安穏に行く。