Classici giapponesi con furigana
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まつのやろはち
松のや露八
吉川 英治
Leggi 松のや露八 (まつのやろはち) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 125.597 caratteri · 253 schermate
「やあ……こ、これは」
庄次郎は、洋式の敬礼をした。
「た、たれかと、思えば、これは過日の、先輩諸君で……。はははッ、奇遇でござるな。場所も、しがらき。ここは馬鹿どもの集るしがらみと、みえる」
「何を云ってるかっ。こらッ。土肥っ、横着者の猫かぶりめ」
「猫じゃ、猫じゃと、おっしゃいますか」
「撲るぞ。長年のあいだ酒は一滴もやれないの、やれ、門限があるのと、朋友の誼みを欠いて、俺たちを、馬鹿正直に、買いかぶらせていやがって。――怪しからんやつだ」
「はい」
「ハイじゃないっ。もう、貴様の尻っ尾は、つかんだ。今夜こそ、帰さないぞ」
「のぞむところ」
「なに」
「行こう。ど、どこへでも行くぞ……。猪ッ、猪牙舟か、駕か」
「オヤ、こいつ、どうかしているぞ。誰か、馬を雇ってこい。縛りつけて家へ帰した方がいい」
見ているまに、庄次郎は、そこらの燗徳利の酒をひとりで腹へ集めてしまった。またいくらでも入りそうな恰幅なのである。衆寡敵せずは、兵法の定石で、この場合の酒戦は、逆になった。
怖れをなして、
「おい、勘定を、持ってるか」
庄次郎に、糺すと、
「勘定とは、金のことか」
「あたりまえ」