Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 167.285 caratteri · 330 schermate
父の伊東利蔵重村は、隠居して宗休となのり、年もすでに八十歳に近かった。兄の善右衛門には、正太夫、友謙、三郎兵衛という男子がおり、長男の正太夫は結婚して、もう子供が一人あった。
「――父上は気が弱っておられるから注意しろ」
兄の善右衛門にそう云われたが、七十郎には、父が気が弱っているようにはみえなかった。このまえ小野で、新左衛門の葬儀があったときも、親族ちゅうの長者として、充分の重みと風格を示した。
「あのときおまえがへんなことを云った」と兄は七十郎に云った、「父上はいつまでも御壮健すぎる、とうてい八十に近い翁とは思われない」
「事実そうだからな」
「それだけならよかったんだ」
「それだけだったと思うがな」
「おまえは酔っていたようだが、人間というものはその年齢があらわれるのが自然だ、あまり壮健すぎ、年よりも若くみえるような者は、突然ぽっくりとまいるものだ、父上もお気をつけなさい」
「冗談じゃない」
「そのとおり云ったんだ」
「冗談じゃない、おれがそんなことを」
そう云いかけて、七十郎は頭を掻き、云ったかな、と口の中で呟いて、いかにも閉口したような眼つきで、兄を見た。