Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 167.285 caratteri · 330 schermate
それだけでも、事の真相は歴然たるものだが、こいつらは真相を知らず、自分ではまじめに忠誠の士だと信じている。こういうばか者には、一本みまってやらなければならない。
――面上へ一本、骨にこたえるやつをみまってやろう。
と七十郎は思った。かれらは歩いてゆき、七十郎は活溌にしゃべり続け、七兵衛はその饒舌にひきつけられていた。渡辺七兵衛を軟化させるくらい、七十郎にとってはぞうさのないことで、船迫に着いたときは、もうなんの異議もなく、柏屋という宿へいっしょに草鞋をぬいだ。
風呂で汗をながし、着替えをしてから、中庭に面した座敷で、二人は酒を飲んだ。七兵衛はたいそう機嫌をよくし、酒が進むと、自分はそこもとを誤解していた、と釈明した。
「人間はよく話しあってみなければわからないものだ」と七兵衛はきまじめに云った、「私は人の評に誤られていた、私は伊東どのをまったく違った人柄のように思いこんでいた」
「おたがいさまだ、気にするな」と七十郎は云った、「それから他人行儀などの付けはよそう、おれも呼びすてにするから、そっちも呼びすてにしてくれ、今日はゆっくり飲んで話そう」
「私は酒には強くないのだ」