Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たなださいばんちょうのかいし

橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇

橘 外男

Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.181 caratteri · 219 schermate

Aozora Bunko

と紳士は、肥った煙管の手を挙げて、例の犬に咆えられた山を、指さしました。

「この辺では、周防山と呼んでいます」

紳士の問いに答えて、初めの予定では南有馬から、島原鉄道で口の津へ出て、口の津から小浜までは海岸美がすばらしいと聞いていることから、ここを歩いて小浜から乗合で諫早へ出て、帰京するつもりだったということなぞ……。

「ほう、貴方は東京にお住いですか」

と、いうことから今麹町の番丁に住んで、大学の医学部へいっていること、そしてパンフレットを見ているうちに、無性に旅へ出たくなって、ここまで出て来たというような話になってきたのです。

「わたしはまだ、東京は一度も行ったことがないが……さぞ、賑やかでしょうな? そんな賑やかな都会からおいでになったら、随分淋しいところだとお思いでしょうな?」

紳士は、穏やかにほほえみました。そして私の旅行話に興味を持ったらしく、小形の地図なぞを出して、フムフムと相槌を打っていましたが、そのうちに例の娘は珈琲を淹れて、運んで来てくれました。

どういう淹れ方か? 私は一遍、東京で土耳古風の淹れ方だとかいって、叔父の相伴をしたことがありましたが、ちょうどそれと同じでした。