Classici giapponesi con furigana
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くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
Leggi 狂い凧 (くるいだこ) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 111.430 caratteri · 226 schermate
「うん。幸太郎伯父みたいじゃ困るな」
「伯父さんは元気かい?」
「うん。相変らずだ。定額の他に、時々小遣いをせびりに来る。齢が齢だから、養老院に入れたいが、どこかいいところはないかなあ」
幸太郎が独りで上京して以来、栄介は月々五千円を彼に提供していた。幸太郎は毎月の初めに彼の家にやって来る。彼がいる時は彼が手ずから渡し、留守の時は封筒に入れて、家政婦に預けて置く。止宿先に送ってやろうと言っても、幸太郎は承知しない。
「そんなことをするに及ばない。わしの分はわしが取りに来る」
幸太郎は昔から、言い出したら聞かないところがあった。本家に生れて旦那として過し、今は落ちぶれていても、その根性は直っていない。郵便局から自分の貯金を引出すように、当然の表情で受取る。
「送られて来ると、仕送りされているようで、イヤなのかな」
と栄介は漠然と想像することもある。栄介の学資は幸太郎から小切手で送られて来ていた。
受取ると幸太郎は、別にお礼も言わず、玄関を出て行く。その後姿はわびしい。この半年の間に、幸太郎は急に足の弱まりを見せていた。
「五千円で老人が一人、食って行けるものかな」