Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Leggi 狂い凧 (くるいだこ) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 111.430 caratteri · 226 schermate

Aozora Bunko

「一番多かったのは、凍傷だったね。春秋の掃蕩作戦と違って、冬でしょう。戦闘だから、厚い毛皮の手袋じゃ、小銃が打てない。足だってぼたぼたの靴をはくと、砂漠じゃ歩けないしね。不思議なことに、いや、不思議じゃないかも知れないが、顔だけは寒気にさらしても、凍傷にはかからないね。必ず手足だよ」

凍傷にも三段階あって、血の気を失って白くなるのを一度、紫色のチアノーゼが二度、三度は炭化して真黒になってしまう。火傷とそっくりの進行をたどる。炭化したのなどは、切り取ってしまう以外にはない。切り取る前後の苦痛には、パビナールなどが使用されるのだ。

「城介君はきっとこのオルドス作戦で、パビナールの常用者になったと、わたしはにらんでるがね」

加納は説明した。

「野戦病院はとてもいそがしい。それにずんずん移動して行くから、喘息なんかの発作を起しては、ついて行けない。手っとり早い療法として、パビアトで鎮めている中に、中毒になってしまったんだ」

それから疫病もずいぶん出した。シラミによる発疹チフス、水からの伝染病、その他。

この作戦で一番困ったのは、水である。水が乏しいだけでなく、水質が悪いのである。