Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Leggi 狂い凧 (くるいだこ) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 111.430 caratteri · 226 schermate

Aozora Bunko

それだけだよ」

「しかしだね、幸伯父が死ぬと、君は俄然彼の生涯に興味を持ち出すと、ぼくはにらんでいる。その遺品や何かを手がかりにして――」

私はすこし語調を強めた。

「君は誰かが死ぬと、にわかにそれに興味を持ち始めるのだ。そうぼくは思う。肉親の死から、君は精神的な栄養をむさぼり始めるのだ。たとえば死体にたかる鴉のようにさ」

「鴉?」

栄介はしゃがれた声でわらい出した。

「死骸にたかる鴉なのか。このおれが?」

約束の時間にすこし遅れて、私は栄介の家を訪ねた。始めて会う幸太郎は、私の描いていた映像とは、いちじるしく、違っていた。小柄でしなびていて、眼が不安そうにびくびく動いていた。コブも巨大なものと思っていたのに、首のつけ根にちんまりとくっついているだけだ。私が挨拶すると、口をもごもごさせて、意味不明な声を出した。それは猫の声に似ていた。

車の運転手は若い男で、栄介を先生と呼ぶところを見ると、学校での教え子らしい。

「伯父さん」

栄介は幸太郎に呼びかけた。

「伯父さんは助手席に乗りなさい。その方が景色がよく見える」

栄介は幸太郎と体を接して乗るのは、イヤなのだろう。