Classici giapponesi con furigana
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くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
Leggi 狂い凧 (くるいだこ) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 111.430 caratteri · 226 schermate
幸太郎がやって来る度に、それをほのめかしたからである。幸太郎は栄介よりも、城介の活溌さを愛していたようである。事あるごとに幸太郎は子供の頭を撫でて言った。
「大学を出て、早くえらいやつになれよ。それにや勉強が第一だ」
頭を撫でられる回数は、栄介よりも城介の方がずっと多かった。
「そろそろ固まったようですな」
と医師は言った。
「もう大丈夫でしょう。剥がして見ましょう」
ぎしぎしときしみながら、ギプスが背中から剥がされた。ほっとした解放感が来た。彼はぎくしゃくと調子をととのえながら、起き直った。
「これ、二、三日陰干しにして下さい。すっかり固くなるまで」
剥がされたギプスを栄介は見た。背に当る部分が、思ったよりも深くえぐれ、ぐっと凹んでいた。背骨の型が点々としるされている。それを見た瞬間、かすかな衝動と戦慄が、彼の全身を通り抜けた。彼は思わずうめいた。
約束の日に、私は矢木栄介の家に行った。れいの無愛想な家政婦が招じ入れた。私は訊ねた。
「今、治療中かね?」
彼女は黙って首を振った。栄介は一昨日と同じ姿勢でベッドに横たわっていた。私は見舞いの花束を枕もとに置いてやった。