Classici giapponesi con furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Leggi 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.496 caratteri · 368 schermate
(いよいよこれはたまらない)
三十郎はこう思い、いそいでそこから出ようと思った。
「それにしても大胆不敵な奴さな」
と、額に黒子のある男が云った。
「ところもあろうにご三家の中でも、南海の龍と称せられている、紀州公様のご城下へ来て、辻斬りをするというのだからなあ……殿様があまりにご寛大で、諸国の浪人の入り込んで来るのを、許しておいで遊ばすので、こんな結果になるともいえるのう」
「そうだそうだ」と云ったのは、例の眉の太い男であった。「明暦義党とかいう不軌を計る奴ばらが、殿様を押し立てようとなされたのも、そんなところから来ているのさ」
三十郎は立ちかけたが、明暦義党の噂が出たので、またこっそりと腰を下ろした。
「明暦義党の奴ばらといえば、彼らまことに押し強いのじゃ。……姉小路卿と梶子という婦人――有名な女隠密だが、この二人を抱き込んでよ、かつて殿様がお捕えになった徒党――明暦義党の沢山の徒党を、許してくれと強談しているそうだ」
こう憎さげに云ったのは、口もとのしまっている男であった。
「しかも義党の奴ばらといえば、その前に殿様のご愛孫の、萩丸様を誘拐して、ずっと隠していたのだそうだ。