Classici giapponesi con furigana
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ふくおうじでん
福翁自伝
福沢 諭吉
Leggi 福翁自伝 (ふくおうじでん) di 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 209.912 caratteri · 402 schermate
三人同行
帰たら誰にこの手紙を渡せ。誰に斯う伝言せよと命ずるからヘイ/\と畏りながら、心の中では舌を出して、「馬鹿言え、乃公は国に帰りはせぬぞ、江戸に行くぞと云わぬばかりに、席を蹴立てゝ出たことも、後になれば先方でも知て居る。けれどもその後私は毎度本人に逢うて仮初にも怨言を云た事のない所ではない、態と旧恩を謝すると云う趣ばかり装うて居る中に、又もやその大切な原書を盗写したこともある。先方も悪ければ此方も十分悪い。けれども唯私がその事を人に語らず顔色にも見せずに、御家老様と尊敬して居たから、所謂国家老のお坊さんで、今度私を江戸に呼寄せる事に就ても、家老に異議なく直に決して幸であったが、実を申せば壹岐よりも私の方が却て罪が深いようだ。
三人同行大阪から江戸に来るに就ては、何は扨置き中津に帰て一度母に逢うて別を告げて来ましょうと云うので、中津に帰たその時は虎列拉の真盛りで、私の家の近処まで病人だらけ、バタ/″\死にました。その流行病最中、船に乗て大阪に着て暫時逗留、ソレカラ江戸に向て出立と云うことにした所が、凡そ藩の公用で勤番するに、私などの身分なれば道中並に在勤中家来を一人呉れるのが定例で、今度も私の江戸勤番に付て家来一人振の金を渡して呉れた。