Classici giapponesi con furigana
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みちくさ
道草
Leggi 道草 (みちくさ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.812 caratteri · 293 schermate
それでも健三がむっとして黙っていると、凹んだ鈍い眼を狡猾らしく動かして、じろじろ彼の様子を眺める事を忘れなかった。
「これだけの生活をしていて、十や二十の金の出来ないはずはない」
彼はこんな事まで口へ出していった。
彼が帰ると、健三は厭な顔をして細君に向った。
「ありゃ成し崩しに己を侵蝕する気なんだね。始め一度に攻め落そうとして断られたもんだから、今度は遠巻にしてじりじり寄って来ようってんだ。実に厭な奴だ」
健三は腹が立ちさえすれば、よく実にとか一番とか大とかいう最大級を使って欝憤の一端を洩らしたがる男であった。こんな点になると細君の方はしぶとい代りに大分落付いていた。
「貴夫が引っ掛るから悪いのよ。だから始めから用心して寄せ付けないようになされば好いのに」
健三はその位の事なら最初から心得ているといわぬばかりの様子を、むっとした頬と唇とに見せた。
「絶交しようと思えば何時だって出来るさ」
「しかし今まで付合っただけが損になるじゃありませんか」
「そりゃ何の関係もない御前から見ればそうさ。しかし己は御前とは違うんだ」
細君には健三の意味が能く通じなかった。
「どうせ貴夫の眼から見たら、妾なんぞは馬鹿でしょうよ」