Classici giapponesi con furigana
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みちくさ
道草
Leggi 道草 (みちくさ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.812 caratteri · 293 schermate
同時に相手も、何故もっと早くそういってくれないのかという顔付をした。
「じゃどの位出して下さいます」
健三は黙って考えた。しかしどの位が相当のところだか判明した目安の出て来ようはずはなかった。その上なるべく少ない方が彼の便宜であった。
「まあ百円位なものですね」
「百円」
その人はこう繰り返した。
「どうでしょう、責めて三百円位にして遣る訳には行きますまいか」
「出すべき理由さえあれば何百円でも出します」
「御尤もだが、島田さんもああして困ってるもんだから」
「そんな事をいやあ、私だって困っています」
「そうですか」
彼の語気はむしろ皮肉であった。
「元来一文も出さないといったって、貴方の方じゃどうする事も出来ないんでしょう。百円で悪けりゃ御止しなさい」
相手は漸く懸引をやめた。
「じゃともかくも本人によくそう話して見ます。その上でまた上る事にしますから、どうぞ何分」
その人が帰った後で健三は細君に向った。
「とうとう来た」
「どうしたっていうんです」
「また金を取られるんだ。人さえ来れば金を取られるに極ってるから厭だ」
「馬鹿らしい」
細君は別に同情のある言葉を口へ出さなかった。