Classici giapponesi con furigana
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みちくさ
道草
Leggi 道草 (みちくさ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.812 caratteri · 293 schermate
ただ無言のうちに愛想を尽かした。そうして親身の兄や姉に対して愛想を尽かす事が、彼らに取って一番非道い刑罰に違なかろうと判断した。
「そんな事をまだ覚えていらっしゃるんですか。貴夫も随分執念深いわね。御兄いさんが御聴きになったらさぞ御驚ろきなさるでしょう」
細君は健三の顔を見て暗にその気色を伺った。健三はちっとも動かなかった。
「執念深かろうが、男らしくなかろうが、事実は事実だよ。よし事実に棒を引いたって、感情を打ち殺す訳には行かないからね。その時の感情はまだ生きているんだ。生きて今でもどこかで働いているんだ。己が殺しても天が復活させるから何にもならない」
「御金なんか借りさえしなきゃあ、それで好いじゃありませんか」
こういった細君の胸には、比田たちばかりでなく、自分の事も、自分の生家の事も勘定に入れてあった。
百一
歳が改たまった時、健三は一夜のうちに変った世間の外観を、気のなさそうな顔をして眺めた。
「すべて余計な事だ。人間の小刀細工だ。」
実際彼の周囲には大晦日も元日もなかった。悉く前の年の引続きばかりであった。彼は人の顔を見て御目出とうというのさえ厭になった。