Classici giapponesi con furigana
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みちくさ
道草
Leggi 道草 (みちくさ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.812 caratteri · 293 schermate
十二
細君はしばらくして、「島田の事なら、あなたに伺わないでも、御兄さんからも聞いて知ってますわ」といった。
「兄がどんな事をいったかい」
「どんな事って、――なんでも余り善くない人だっていう話じゃありませんか」
細君はまだその男の事について、健三の心を知りたい様子であった。しかし彼にはまた反対にそれを避けたい意向があった。彼は黙って眼を閉じた。盆に載せた土鍋と茶碗を持って席を立つ前、細君はもう一度こういった。
「その名刺の名前の人はまた来るそうですよ。いずれ御病気が御癒りになったらまた伺いますからって、帰って行ったそうですから」
健三は仕方なしにまた眼を開いた。
「来るだろう。どうせ島田の代理だと名乗る以上はまた来るに極ってるさ」
「しかしあなた御会いになって? もし来たら」
実をいうと彼は会いたくなかった。細君はなおの事夫をこの変な男に会わせたくなかった。
「御会いにならない方が好いでしょう」
「会っても好い。何も怖い事はないんだから」
細君には夫の言葉が、また例の我だと取れた。健三はそれを厭だけれども正しい方法だから仕方がないのだと考えた。
十二
健三の病気は日ならず全快した。