Classici giapponesi con furigana
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みちくさ
道草
Leggi 道草 (みちくさ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.812 caratteri · 293 schermate
こうしてあくまで眠りを貪ぼらないと、頭が痺れたようになって、その日一日何事をしても判然しないというのが、常に彼女の弁解であった。健三はあるいはそうかも知れないと思ったり、またはそんな事があるものかと考えたりした。ことに小言をいったあとで、寐られるときは、後の方の感じが強く起った。
「不貞寐をするんだ」
彼は自分の小言が、歇私的里性の細君に対して、どう反応するかを、よく観察してやる代りに、単なる面当のために、こうした不自然の態度を彼女が彼に示すものと解釈して、苦々しい囁きを口の内で洩らす事がよくあった。
「何故夜早く寐ないんだ」
彼女は宵っ張であった。健三にこういわれる度に、夜は眼が冴えて寐られないから起きているのだという答弁をきっとした。そうして自分の起きていたい時までは必ず起きて縫物の手をやめなかった。
健三はこうした細君の態度を悪んだ。同時に彼女の歇私的里を恐れた。それからもしや自分の解釈が間違っていはしまいかという不安にも制せられた。
彼は其所に立ったまま、しばらく細君の寐顔を見詰めていた。肱の上に載せられたその横顔はむしろ蒼白かった。彼は黙って立っていた。