Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.866 caratteri · 318 schermate
気の勝った万次郎、昨夜の酒が激発したものか、思わず平次に喰ってかかります。
「万次郎さん、――お願いだから、そんなに腹を立てないで下さい。銭形の親分さんは、お上の御用でおっしゃるんじゃありませんか、――少しぐらいは極りが悪くても、今朝も暁方に帰って来て、物置の梯子から屋根へ飛び付き、格子を外してそっと入った事を話してしまった方がよくはありませんか」
「…………」
万次郎は黙ってお藤の方を見やりました。
「二階からは、お勝手に居る人達に顔を見られずに、風呂場へ入れません。――いつものように、旦那に小言を言われるのが嫌さに、暁方帰って来て屋根伝いに二階へ入った事さえ言ってしまえば、何でもないのに」
お藤に素破抜かれると、万次郎はそれに抗らう気力もなく、がっくり首を落して、平次の前に二つ三つお辞儀をしました。
「どうも済みません、ツイ向っ腹を立てて、これが私の悪い癖で――」
「正直者は腹を立て易いよ、――お藤さんの言うのに間違いはあるまいね」
「ヘエ――」
平次はこう解ると、我が意を得たりといったように莞爾とするのでした。
「冗談じゃないぜ、親分、殺し手がなくなった日にゃ、引込みがつかないじゃないか」