Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.866 caratteri · 318 schermate
八
八
その晩、大きな事件が二つありました。一つは、鎌倉町を飛出したお勘坊の死体が神田川に浮いて来たことと、もう一つは、源太郎の家は二三十人の覆面武士に襲われて、天井裏から床下まで、残る隈なく家捜しをされたことです。
子分といっても家に居るのはほんの二三人、あとは老年と女ばかり、口は達者でも、七十を越した源太郎、二三十本かけ並べた白刃の前には、どうすることも出来なかったのです。
この家捜しは、亥刻(午後十時)から始まって寅刻半(午前五時)までかかりました。三分の一は白刃で脅して家族を一室に追い込め、あとの三分の一は、部屋部屋を舐めるように捜し、あとの三分の一は家の廻りを、垣一つ古釘一本も見落さじと調べ抜いたのでした。
が、二つの宝物はどこにもありません。唐紙を割き畳の表を剥がし、布団の綿を引出し、着ている着物や帯までも割きましたが、秘伝書といった嵩高なものはもとより、御墨付の紙片一枚さえ見付からなかったのです。
「ざまア見あがれ、明日は龍の口の評定所へ駆け込み訴えだ。一万二千石は三月経たないうちに木っ端微塵さ。それが嫌なら、娘をお屋敷へ呼返した上、下手人に縄付けて来い」