Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 152.696 caratteri · 310 schermate
五
「そうだろうとも、よい年増が、こんな穴を拵えて隣を覗くわけはねえ」
「まア、親分さん」
お角の抗議を空耳に聞いて、平次は狭い濡縁から三畳の間に乗出すように、穴から隣の家の方を覗いております。
五
「ちょいと待った」
「あ、銭形の親分さん」
吉三郎はギョッと立止まりました。お浜や八五郎に別れて、柳原河岸の宵明りを、自分の家の方へ急いでいたのです。
「少し聞きたいことがあるんだ」
「私は何にも知りませんが、親分さん」
吉三郎はお浜から事件の概略を聞いたらしく、平次の前に立竦んだ顔は、不安に顫えておりました。
「お前を九百九十両の盗人だと思ってるわけじゃねえ。実は先廻りして、あの晩お前が家から一と足も出ない事を聞いて来たんだ」
「ヘエ――」
平次の行届いた言葉に、吉三郎は安心よりも驚きが先でした。
「だから、知ってるだけの事を、みんな話してくれさえすればいい、――お前はお浜といつごろからの仲なんだ」
「三年になりますよ、親分さん」
吉三郎の声は悲しそうです。二十二三の少し柔和だが良い男、お浜が夢中になるのも無理はない――と、平次は見ております。
「親父の多の市が不承知なんだろう、どうしても一緒にしねえというのか」