Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 152.696 caratteri · 310 schermate

Aozora Bunko

六

「父さん」

「手触りでもよく解る。中は確か三百八十両。少し重いが、男一人の命にも関わった金だ、しっかり持って行け」

胴巻を娘の帯の下へ廻しながら、彦兵衛はそう言い続けます。

もう子刻(十二時)近いでしょう。街は灰を撒いたように鎮まって、朧月の精のように、ヒラヒラと飛んで来る花片。

「父さん、それじゃ」

お富は三百八十両の小判を背負って、一歩真夜中の街へ踏出しました。

「命がけの金だぞ、お富」

「ハイ」

「これがしばらくの別れになろうも知れない」

「父さん」

「なアに、そんな事があるものか。明日はまた逢おう、いいか、お富」

六

娘を夜の冒険に送り出して、引返した彦兵衛、行灯の灯の中に、動物のように乱酔した身体を横たえた東作を、憎々しく見詰めましたが、いきなりハタと枕を蹴って、

「野郎、起きろ」

低いが、圧し付けるような声を浴びせました。

「ウ、ウ、ウ」

ゴロリと寝返りを打った東作、それくらいのことでは、なかなか目を覚しそうもありません。

「只の酒だと思って、よくも食らいやがったな、畜生ッ、どうするか見るがいい」

勝手から持出した手桶、井戸端へ行って二た釣瓶まで汲み入れ、満々と水を湛えたのを持って、東作の枕元に突っ立ちました。