Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 152.696 caratteri · 310 schermate
四
ついては親分、忙しいところを、何とも申し兼ねますが、二十五日一日だけ、娘の側へ付いてやっては下さいませんか。そうして下されば、外の者が百人付いているより心強いわけでございますが――」
福屋善兵衛が折入っての頼みです。
「相手はなにぶん容易な者じゃない。私が見張っていたところで、防ぎようはないかも知れませんよ。それを承知なら一日お邪魔をさせて頂きましょう」
銭形の平次ともあろうものが、甚だ自信のないことを言います。
四
その日、娘のお糸を護って向島の寮の警戒は、物々しいと言おうか、大袈裟と言おうか全く話になりません。日本橋の店から来た屈強な手代が十五六人、それに平次の手下が五六人、寮の番人やら女中やら、本店から来たお糸付きの奉公人やら、近所の衆の手伝いを加えると、総勢三十人あまり。美しいお糸を十重二十重に包んで、昼のうちから水も漏らさぬ警戒振りです。
昼のうちは、それでも何事も起りませんが、あまり騒ぎが大袈裟だったので、夜になると、皆んなの顔には明らかに疲労の色が漂います。
平次はそれを督励して、否応言わさず部署につけました。寮の入口という入口には、人を二人ずつ配置して、危ないと思った場所には、雨戸一枚に一人といった工合に、蟻の這い出る隙間もなく人を配ってしまいました。