Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 152.696 caratteri · 310 schermate
三
三
「お前は」
驚き騒ぐ源吉の前へ、女は静かな顔を挙げました。“男まさり”という型の、水のような冷たい表情です。
「構いませんよ、兄さん、本当の事をはっきり言った方が、物事が早く片付くでしょう、ね、親分さん」
女は半分平次へかけて言って、わずかに頬を綻ばせます。
「お前は?」
「主人の妹――松と申しますよ。今朝は御近所の方と、観音様へ朝詣りをする約束で、その方が誘って下すった時は、生憎御飯は出来ていましたが、おみおつけが仕掛けたばかりだったので、お茶漬にして、お香の物で済ませて飛出しましたよ。お蔭で味噌汁には中りませんが、嫂殺しの疑いを受けるわけですね」
お松はそんな事を言って、ツケツケと平次を見上げるのでした。冷たい聡明な眼差です。
「そんな事を言って、お前」
驚く源吉、威猛高に妹をきめ付けようとしましたが、お松はそんな事には馴らされていない様子で、なかなか引っ込みそうもありません。
「――その上、お越が石見銀山を隠しておいた場所も、この私だけは知ってましたよ」
「まア、お松さん」
お越は飛付きました。が、さすがに口を塞ぎもならず、お松の袂をグイグイと引くばかりです。