Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 152.696 caratteri · 310 schermate

Aozora Bunko

そう言ってお角の取出した一枚の付け木に、恐ろしく下手な字で、〈げんきちとてをきるか、いやならこんどはほんとにおまえのこをころすぞ〉とこう書いてあったのです。

「心当りは?」

平次は顔をあげました。

「十人ぐらいありますよ、親分さん」

「まず第一に?」

「粉屋のお光」

お角の眼は口惜し涙にキラキラと光ります。

「それから?」

「丸屋の旦那の妹、――お松さん」

「少しおかしいな」

「私が乗込んで行けば、一文だってあの女の勝手にはさせませんよ」

「フーム」

「両国の水茶屋のお楽、――あの女も旦那に夢中なんです」

「それから?」

「とても数え切れるものじゃありません。ともかく、私は身を引きました。丸屋の後添いになるのは本望ですが、倅の命はそれよりも大事です。三日前に旦那とは手を切りましたよ、親分」

お角はそう言ってサメザメと泣くのです。次の間ではあの晩から風邪を引いた幸三郎が、弱々しくも咳き込んでおります。

平次は暗い心持で甚内橋を渡りました。事件は女の嫉妬か、女の嫉妬と見せかけた、恐ろしくタチの悪い男の毒計でしょう。

そのいずれにしても、平次にとっては、決して良い心持の捕物ではありません。