Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 109.804 caratteri · 225 schermate
若旦那の部屋は店からはだいぶ離れて、表二階二た間に寝ている奉公人たちのところから来るためには、主人の部屋や娘お輝の部屋の前を通らなければならず、そこから人知れず脱け出すのは容易のわざではありません。支配人の藤助は通いで夜はこの屋根の下にはおらず、手代の辰次は主人の眼鏡にかなって、店の銭箱の番に、たった一人だけ階下に寝ております。
藤助は五十前後の確り者らしい感じのする男、その代り支配人としてはこの上もない働き者でしょう。秤座の仕事をして三十何年、今では主人彦太郎に代って、大抵のことを捌いております。
手代の辰次は二十七八の良い男で、駿府、名古屋、大坂などの秤座出張所を渡った上、その敏腕と正直さを見込まれ、三年前江戸に呼寄せて金蔵の番までさせ、藤助の次に据えられたほどの男です。物言いのハキハキした目鼻立ちの立派な、見るから頼もし気な青年でした。用心棒の狩屋角右衛門は四十五六の浪人者、これは武骨一辺の何の巧みもない男です。
お輝は十六、美しく可愛らしく、幼々しく、そしていじらしい娘ですが、許嫁の兵太郎が殺されて、その悲歎は目も当てられません。
店の次の間に集めた三十人あまりの家族と奉公人から、めぼしいのを拾い出して、平次はこう観察して行くのでした。