Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 109.804 caratteri · 225 schermate
銭形平次捕物控
一
一
「親分、元飯田町の騒ぎを御存じですかえ」
「なんだい、元飯田町に何があったんだ」
ガラッ八の八五郎がヌッと入ると、見通しの縁側に踞んで、朝の煙草にしている平次は、気のない顔を振り向けるのでした。
江戸中に諜報の網を張っている順風耳の八五郎は、毎日下っ引が持ってくる夥しい事件の中から、モノになりそうなのを一応調べて親分の銭形平次に報告するのです。
「なアに、つまらねえ物盗りなんだが、怪我人があるから、俎橋の大吉親分がやっきとなって調べていますよ」
ガラッ八がつまらねえと片付ける事件に、とんだ大物のあることを平次はときどき経験しております。
「大吉親分がやっきとなるようじゃ馬鹿にはなるまいよ。誰が怪我をして、何を奪られたんだ」
「元飯田町の加島屋――親分も御存じでしょう」
「後家のお嘉代というのが荒物屋をやって、内々は高利の金まで廻しているという名代の因業屋だろう」
「その加島屋へ宵泥棒が入ったんで」
「フーム」
「手代の与之松は使いに出た留守、倅の文次郎は町内の風呂、娘のお桃はお勝手でお仕舞の最中、後家のお嘉代がたった一人で金の勘定を済ませ、用箪笥へ入れたところを、後ろから忍び寄った曲者に脇腹を刺され、あっと振り返るところを、手燭を叩き落されて、用箪笥の財布を盗まれたんだそうで」