Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 109.804 caratteri · 225 schermate
三
「無くなった物はないのか」
「なんにも」
「面白いな、八」
「ヘエ、――面白いんですか、――これがね」
平次の真似をしてガラッ八も高々と腕を拱きましたが、若旦那も無事、無くなった物もないというのでは、ガラッ八にはいっこう面白くも何ともありません。
「ただの悪戯や脅かしじゃあるまい、俺も行ってみよう」
「ヘエ、親分が行くんですか、脅かしの日限は一昨日で切れて、ゆうべは厄明けで店中へ酒が出る騒ぎでしたよ」
「その酒宴の残り物くらいにはありつけるだろう」
「ヘエ」
何に驚いたのか、そそくさと出かける平次の後ろにガラッ八はキナ臭い鼻を蠢かしながら続きます。
三
通四丁目の秤座――守随彦太郎の屋敷は、煮えくり返るような騒ぎでした。その頃の秤座は通四丁目の一角を占める大きな建物で、役人としてはわずか切米十俵二人扶の小身ですが、二た戸前の土蔵を背後に背負って、繁昌眼を驚かすばかり。
「お、八五郎親分、ちょうどよいところだ」
店先へ飛んで出たのは、支配人の藤助でした。
「どうしたんです、この騒ぎは?」
「若旦那が――」
「若旦那がどうかしましたか」
支配人は物をも言わずに八五郎を奥へ案内しました。