Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 109.804 caratteri · 225 schermate
「物も言わずに死んだことだろうな」
平次はそう言いながら死骸を引起して、いろいろ調べております。
「何で打ったんでしょう」
ガラッ八はその辺を捜しましたが、兇器になるような石も棒も見当らず、かえって染吉の持物だったらしい、贅沢な羅紗の紙入が見付かりました。
「中に何があるか見た上で、お前が預かっておいてくれ」
平次は声をかけました。
「何にもありませんよ」
「抜かれたんだろう」
「これが目当ての泥棒ですかね」
「いや、そんなことじゃあるまいよ。泥棒ならこんな結構な煙草入を盗らずに行くはずはない」
平次は染吉の死骸から抜いた金唐革の恐ろしく金のかかったらしい煙草入を月の光にすかしました。
「大変な品ですね」
「フーム、こんな物を持つのは、江戸でも名のある町人か大通、でなければよっぽど思いあがった人間だ。――おや、煙草入の中に小判が二枚入っているよ」
平次は小判を月光にすかして、ヒョイと重さを引いて見ましたが、元の煙草入に納めて、自分の懐ろに入れました。その頃からただならぬ物の気はいに驚いて、近所の衆や往来の野次馬が、次第に集まり、町役人なども駆けつけて来ます。
「それにしても贅沢な人間ですね」