Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひだのかいだん

飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選

岡本 綺堂

Leggi 飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選 (ひだのかいだん) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.271 caratteri · 263 schermate

Aozora Bunko

」と、安行も首肯いて、「あんな狂気染みた奴が飛び込んで来るというのは、何う云う訳だろう。私が早く知ったら、何とか無事に納めたのだが、あの七兵衛めが一酷なことを云うもんだから、到頭あんな騒ぎを演出来して了って……。そこへ出ッ食した冬子さんは、実に運が悪かったのだ。それでも怪我を為ないのが勿怪の幸で、大事の顔へ疵でも付けられようものなら、取返しが付きゃアしない。何しろ、お葉とか云う奴は呆れた女だ。」

「実際、呆れた奴ですなあ。あれも少し気が触れているんじゃアありませんか知ら。尠くもヒステリー患者ですな。」と、市郎も眉を顰めた。

「何うして又、ヒステリーに罹ったんでしょう。」と、冬子は不意に顔を擡げた。お葉に掴み毀された前髪の庇は頽れたままで、掻上げもせぬ乱れ髪は黒幕のように彼女の蒼い顔を鎖していた。其中から輝くのは葉末の露の如き眼の光であった。

「さあ、何うしてと云って……。」と、市郎も考えて、「ああ云う女には能くあるんですよ。其上に酒にも酔っている様でしたから……。」

「酔っているばかりでも有りますまい。妾が二度と御当家へ来ればあの人が又暴れて来るそうですね。