Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひだのかいだん

飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選

岡本 綺堂

Leggi 飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選 (ひだのかいだん) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.271 caratteri · 263 schermate

Aozora Bunko

(五十三)

目ざす銀山まではまだ三里もあるので、二人は其処らで野宿をすることに決めた。

ここらの案内は重蔵が善く心得ているので、彼は熊吉を導いて樅林の奥へ入った。木立の深い処には、人を容るるに足るほどの天然の土穴が所々に明いているので、二人はここへ潜り込んで、雨を避けながら落葉を焚いた。此のままに眠って了えば、彼等は平和に夢を結ばれたのであろうが、斯る徒の癖として重蔵は懐中から小さな賽を取出した。二人は焚火の傍で賽の目の勝負を争った。

斯る賭博に喧嘩の伴うのは珍しくない。二人は勝負の争いから忽ちに喧嘩を始めて、熊吉は燃未了の枝を把るより早く、重蔵の横面を一つ撲った。熱いのと痛いのとで眼が眩んだ重蔵は、衣兜から把出した洋刃を閃かして、矢庭に敵の咽喉を一抉りにした。が、腹立紛れに人を殺したものの、わが眼前に横われる熊吉の屍体を見ては、彼も俄に怖しくなった。

「どうしたら可かろう。」と、彼は犯跡湮滅に就て考えた。

(五十三)

重蔵は不図彼のを思い出した。この殺人事件をして※(「けものへん+操のつくり」、第4水準2-80-51)の所為であるかのように粧って、他の目を晦まそうと考えた。