Classici giapponesi con furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(一)
吉川 英治
Leggi 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.100 caratteri · 523 schermate
しかし、煎じつめた話が、そこもとの運命は、つまりお綱と似たり寄ったりなもので、この周馬の手に握られてしまったのだ。イヤまったく、偽りのないところじゃ。命と惚れた女がほしいなら、孫兵衛先生、ウンとご承知あるよりほかに行き道はありませんぜ」
いい終るのを待たず、お十夜が、
「えい、生意気なッ!」
とつかみとった助広の一刀。
脇の下に鍔を抱き、サッと抜き打ちに、相手の眉間へ斬りつけると、
「おッと、あぶない!」
と、旅川周馬、手をつかえて身をかわし、煙管の雁首を青眼の構えにとって、
「――なるほど、そいつが丹石流か、これじゃお綱も嫌うだろう、よし給えよ、そんな野暮は……」
腰も浮かさずにひやかした。
冷やかされたので、お十夜の怒気は、ムラムラと燃えた。
「周馬!」
と睨めて、片膝をたて、
「ふざけやがッて! この孫兵衛を甘くみたな。お綱はもとよりおれの女だ。渡してやるもやらねえもあるものか」
助広の鎬に、行燈の灯をギラギラとよじらせながら、その切ッ尖を、周馬の鼻ッ先へ寄せて行った。
「――さ、お綱をつれて帰るんだから、鏡の裏の穴蔵へ案内しろ! イヤの応のといやあ真ッ二つだからそう思え」