Classici giapponesi con furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Leggi おばけの正体 (おばけのしょうたい) di 井上 円了 (いのうええんりょう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 74.925 caratteri · 145 schermate
諺にも「疑心暗鬼を生ず」といえるがごとく、多くの災難、不幸は、これを疑懼するより起こるに相違ありませぬ。軽症の病が重患となり、活くべき病人がにわかに死するがごときは、多くは自分の迷心より招くところであります。一家の衰微滅亡も、やはり天のしからしむるところにあらずして、自ら招くところなるは、これに準じて知ることができます。
世に不幸の種類いたって多きも、不幸中の不幸は死の一事であります。死は天道の常則にして、我人の免るべからざるところなれども、天寿を全うすることあたわざるは、多くその人自ら招くところなることは、実際に照らして明瞭であります。死すでにしからば、他はいわずとも分かりましょう。かかる道理でありますから、いやしくも人たるものは、天道、天運の規則を明らかにし、生死、禍福の門路を究め、百難、千死をおかしても、決して迷情を動かさず、疑念を起こさず、泰然として一心を不動の地に置き、ふたたび生死路頭の迷子とならざるように平素研究しおくは、この世の浮き橋を渡るに、肝要中の肝要なる心得であります。
一家の建築には小刀細工では間に合わず、大店の商法には目の子勘定では役に立たず、生死の迷心を定むるには、人相、方位のごとき小刀細工や、売卜、禁厭のごとき目の子勘定では到底むずかしい。