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Classici giapponesi con furigana

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こころ

こころ

夏目 漱石

Leggi こころ di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.915 caratteri · 322 schermate

Aozora Bunko

その代り自分の病気が治ったらというような事も時々付け加えた。

「お前の卒業祝いは已めになって結構だ。おれの時には弱ったからね」と兄は私の記憶を突ッついた。私はアルコールに煽られたその時の乱雑な有様を想い出して苦笑した。飲むものや食うものを強いて廻る父の態度も、にがにがしく私の眼に映った。

私たちはそれほど仲の好い兄弟ではなかった。小さいうちは好く喧嘩をして、年の少ない私の方がいつでも泣かされた。学校へはいってからの専門の相違も、全く性格の相違から出ていた。大学にいる時分の私は、ことに先生に接触した私は、遠くから兄を眺めて、常に動物的だと思っていた。私は長く兄に会わなかったので、また懸け隔たった遠くにいたので、時からいっても距離からいっても、兄はいつでも私には近くなかったのである。それでも久しぶりにこう落ち合ってみると、兄弟の優しい心持がどこからか自然に湧いて出た。場合が場合なのもその大きな源因になっていた。二人に共通な父、その父の死のうとしている枕元で、兄と私は握手したのであった。

「お前これからどうする」と兄は聞いた。私はまた全く見当の違った質問を兄に掛けた。