Classici giapponesi con furigana
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こころ
こころ
Leggi こころ di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.915 caratteri · 322 schermate
「イゴイストはいけないね。何もしないで生きていようというのは横着な了簡だからね。人は自分のもっている才能をできるだけ働かせなくっちゃ嘘だ」
私は兄に向かって、自分の使っているイゴイストという言葉の意味がよく解るかと聞き返してやりたかった。
「それでもその人のお蔭で地位ができればまあ結構だ。お父さんも喜んでるようじゃないか」
兄は後からこんな事をいった。先生から明瞭な手紙の来ない以上、私はそう信ずる事もできず、またそう口に出す勇気もなかった。それを母の早呑み込みでみんなにそう吹聴してしまった今となってみると、私は急にそれを打ち消す訳に行かなくなった。私は母に催促されるまでもなく、先生の手紙を待ち受けた。そうしてその手紙に、どうかみんなの考えているような衣食の口の事が書いてあればいいがと念じた。私は死に瀕している父の手前、その父に幾分でも安心させてやりたいと祈りつつある母の手前、働かなければ人間でないようにいう兄の手前、その他妹の夫だの伯父だの叔母だのの手前、私のちっとも頓着していない事に、神経を悩まさなければならなかった。
父が変な黄色いものも嘔いた時、私はかつて先生と奥さんから聞かされた危険を思い出した。